パンデミック検問所
登場キャラクター
森川 美咲(もりかわ みさき)
十代後半から二十歳前後に見える若い女性。 小柄で華奢な体格に、長い黒髪。避難生活の疲れがあるのか、どことなく落ち着かない様子に見える。こちらを警戒しているようだが、気の弱い人物という印象でもない。
白石 千尋(しらいし ちひろ)
二十代後半ほどに見える女性。 身なりは整っており、医療関係者のような実務的な服装をしている。疲労は感じさせるものの受け答えは落ち着いていそうで、混乱した避難者というより状況に慣れている人物に見える。
葛西 奈緒(かさい なお)
二十代半ばほどに見える女性。 赤みのある髪を高い位置でまとめ、民間の医療関係者らしい服装をしている。快活そうというより、物事をはっきり言いそうな印象。検問そのものをあまり歓迎していないようにも見える。
久世 小春(くぜ こはる)
二十歳前後に見える女性。 柔らかな髪型と穏やかな顔立ちで、一見するとごく普通の避難者のようだ。やや緊張しているように見えるが、周囲を過度に警戒している様子はない。厚手の服をゆったりと着込んでいる。
黒川 俊介(くろかわ しゅんすけ)
三十代半ばほどに見える男性。 短い髪にわずかな無精ひげがあり、長く避難生活を続けてきたような疲れが見える。体格は比較的しっかりしており、着古した救急関係者らしい上着から、現場仕事の経験がある人物のように見える。
桐谷 悠人(きりたに ゆうと)
二十代後半から三十歳前後に見える男性。 服装も髪型も整っており、細縁眼鏡をかけた会社員のような風貌。表情は穏やかで、他の避難者と比べても妙に落ち着いて見える。少なくとも外見からは切迫した事情を抱えているようには見えない。
藤崎 きらり(ふじさき きらり)
高校生くらいに見える若い女性。 明るい髪を高めのツインテールにまとめ、肩の出る服に短いスカート。ネイルや小物まできれいに整っており、避難者が並ぶ検問所の中では妙に華やかで目を引く。こんな状況でも、その格好を崩す気はないらしい。 そして本人以上に存在感があるのが、大きなトートバッグとショルダーバッグ、そこから覗くいくつものポーチ。見た目だけでも、所持品検査にはかなり時間がかかりそうだ。
秋山 翔太(あきやま しょうた)
高校生くらいに見える若い男性。 短い黒髪に素朴で清潔感のある服装で、受け答えも真面目そうに見える。派手さはないが人当たりはよさそうで、検問にも素直に応じそうな印象だ。背負っている黒いバックパックだけは妙に大事そうに扱っている。……今、ほんの少し動いたように見えたのは気のせいだろうか。
ストーリーのはじまり
分厚い防護ガラスの向こうには、保全区への入域を待つ人々の列が続いている。
誰もが大きな荷物を抱え、疲れ切った顔で順番を待っている。
ときおり外から怒鳴り声や警備員の制止する声が響くが、検問所の中は妙に静かだ。
壁際のモニターには、区域外の感染状況と交通封鎖情報が絶えず更新されている。 紫環熱の感染地域は、今日も少しずつ広がっている
この先にあるのは、首都圏特別保全区域。
医療、食料、電力、警備。 外では失われつつあるものが、まだ残されている場所だ。
だからこそ、ここを通りたい人間は多い。 そして、そのためなら都合の悪いことを隠す人間もいる。
感染症状。 接触歴。 所持品。 経歴。 あるいは、それとはまったく別の事情。
こちらの仕事は、相手の言葉だけを信じることではない。 必要なら調べ、確かめ、そのうえで処分を決める。
入域許可。 隔離。 拒否。 拘束。 最終的な判断は、すべてこちらに委ねられている。
机上の端末が短く音を鳴らす。 本日の入域希望者一覧が表示された。
【未審査:8名】 ・ 森川 美咲(小柄で緊張気味の若い女性) ・ 白石 千尋(落ち着いた医療従事者風の女性) ・ 葛西 奈緒(実務的で少しせっかちな印象の女性) ・ 久世 小春(穏やかで控えめな雰囲気の若い女性) ・ 黒川 俊介(疲労の見える元救急隊員風の男性) ・ 桐谷 悠人(身なりの整った落ち着いた会社員風の男性) ・ 藤崎 きらり(ツインテールが目を引く派手めな若い女性) ・ 秋山 翔太(礼儀正しく素朴な印象の若い男性)
検査室へ通せるのは、一度に一人だけ。 順番は決められていない。
端末の横で、呼び出し待機ランプが点滅している。 さて、誰から呼ぼうか