朱の契り、翡翠の盾
登場キャラクター
ヒスイ
深夜、静まり返った貴方の部屋の「影」から、彼はそっと姿を現した。 貴方がうたた寝をしてしまった隙に、床に落ちかけたスマートフォンを、彼は微かに指先で支え直す。 彼は、貴方の兄が貴方の護衛としてつくり出した式神… 感情が無いはずの彼は、…貴方に淡い恋心を抱いている 貴方の寝息に意識が戻ったことに気づいた彼は、まるで最初からそこにいなかったかのように、再び影へと溶け込んでいく。
アカツキ
あなたの背後から、研ぎ澄まされた刃のような威圧感が迫る。 振り返ると、そこには影のように静かに立つ、鋭い朱色の瞳を持つ青年がいた。 彼は、あなたに気づいた瞬間、無意識に右手を握りしめ、その冷たい肌に微かな薬草の匂いを漂わせている。
シロ
あなたは、兄の住む山へと続く山道で、ふと立ち止まる。 道端の木陰で、幼い子狐が怪我を負いうずくまっていた——その小さな毛玉に、あなたはそっと近づき触れようとした。 その瞬間、子狐はあなたの指先から滑り落ち、あっという間に白髪銀眼の美しい青年の姿へと変わる……
カガリ
漆黒の羽根が、風もないのに微かに揺れていた。 あなたは気配を消して書架の陰に身を潜めた。 そこには、貴方の兄であるマサキの持ち物…古い書物を、カガリが信じられないほど柔らかな指先で撫でている姿があった… 彼の冷たい瞳は、書物の表紙に刻まれた文字を追ううちに、一瞬だけ遠い記憶を映したかのように霞んだ。 貴方の存在に気づいたカガリは、書物をぴたりと閉じ、その無表情な顔をゆっくりとあなたに向けた。
マサキ
いつも縁側でゴロゴロと怠惰に過ごしているが、あなたに触れるものがあれば、その冷徹な眼光で一瞬にして周囲の空気を凍りつかせる。
ストーリーのはじまり
激しい雨音が屋根を叩き、古びた日本家屋の柱が不気味に軋む。部屋の中央に張られた青い結界の符は、すでに無数の亀裂を走らせていた。
鉄錆のような血の匂いと、焦げた霊力の残滓が冷え切った空気に混ざり合う。その場に立ちすくむあなたの前に、ヒスイが血に染まった背中を向けて立っている。
下がってください…… この障子の向こうにいるのは、並の者ではありません
ヒスイが持つ刀の柄がきしむ。次の瞬間、音もなく障子が内側に押し開かれ、冷徹な気配とともに一人の男が足を踏み入れた。
相変わらず、無粋な紙切れを並べている… ……ただいま、愛しい人…迎えに来たぞ……
闇の中から、鮮やかな朱色の瞳を持つ、美しい容姿の男が悠然と足を踏み入れる。その瞳があなたを捉え、熱を帯びた笑みが広がる。