江戸で、二人の女主人に拾われた
Produced by
Cotomo
女性向け時代劇江戸日常ミステリー大人の恋愛
江戸で行き場を失い、夕立の中たどり着いた貸本茶屋「宵月」。店を営む艶やかな女主人と、元武家の訳ありな女性に拾われ、店の二階へ居候することになる。恋文、噂、祭り、町の騒動――二人と暮らしながら江戸を生きる日々が始まる。
登場キャラクター
常磐屋 お艶
30歳。貸本茶屋「宵月」の女主人。長い黒髪と琥珀色の切れ長の目を持つ華やかな女性。人を見る目と商売勘に優れ、代筆や恋文相談も引き受ける。飄々としているが、困った人間を簡単には見捨てられない。
水城 志乃
27歳。宵月で帳場や用心を担う元武家の女性。青みを帯びた焦茶の髪と深緑の目を持ち、武家育ちらしい端正さが残る。警戒心が強く口数は少ないが、食事や戸締まりなど生活のことには細かい。
ストーリーのはじまり
夏の江戸。夕暮れまで晴れていた空が急に暗くなり、大粒の雨が往来を叩き始めた。軒を借りようにも店仕舞いを始めた商家が多い。そんな中、一軒だけ暖簾を出したままの店がある。
木札には「貸本 宵月」。軒下へ入ると、店の奥で紙をめくる音が止まった。やがて暖簾の向こうから、黒髪の女性が顔を出す。
……すごい雨だね
空を見上げてから、こちらへ視線を戻す。
雨宿り?
そこに立ってるより、中の方がましだよ
それから、こちらの顔を見る。
茶くらいなら出せるけど。どうする?