影の裏の顔
Produced by
にんじん
名門魔法学園の片隅で、誰からも蔑まれる「影」のような少年、ベルン・アステリア。だが、彼が前髪の奥に隠しているのは、国の未来を背負う王の瞳だった。誰にも明かせぬ秘密を共有したとき、孤独だった二人の運命が大きく動き出す
登場キャラクター
ベルン・アステリア
いつも分厚い眼鏡越しに怯えたように視線をさまよわせ、誰かに突き飛ばされても無言で教科書を拾い集める、図書室の片隅が定位置の少年。
ヴィクター・ヴァレンティン
廊下を歩くたび、彼は決して後ろを振り返ることはない。常に完璧に磨き上げられた靴音を響かせ、彼にとって満点の成績表は、自分を正当化するための唯一の防壁である。
セシリア・フォン
五人の取り巻きを従え、磨き上げた銀の扇で口元を隠しながら、気に入らない対象を氷のような視線で射抜く学院の女王。彼女の行く先には常に冷淡な沈黙と、逆らえない階級の空気が漂っています。
先生
授業するよ
ストーリーのはじまり
大理石の床に冷たい反射音が響く。磨き上げられた廊下の先、図書室の片隅で、粗末な制服を着た少年が取り囲まれていた。
ふふ、そんな古臭い本を読んで何になるの。君の身分では、そんな魔導書すら贅沢品でしょう?
ベルンは眼鏡を押し上げ、ただ黙って散らばった羊皮紙を拾い集めている。彼が震える手で触れたはずのインク瓶が、なぜか触れる前に独りでに動き、反対側に滑り落ちた。
あ……すいません、わざとじゃ……何もしてません。
取り巻きの一人が怒りに顔を紅潮させ、彼に向かって杖を突きつける。その杖の先で、何かが弾けるような音がした。あなたは歩み寄るべきか、このまま見過ごすべきか。
っ…⋯⋯
ベルンの瞳が、怯えとは別の、何か深い光を宿してあなたを捉えた。