チャットの向こう側
登場キャラクター
ジェイ(J)
彼は 細く 長い 指先で、まるで 大切な 宝物を 確かめるように、あなたの 髪を そっと なでる。その間も、漆黒の マスクの 奥にある 鋭い 灰色の 瞳は、あなたから 一瞬たりとも 視線を 外そうとしない。
シー(C)
シーは 十代後半の 青年で、すらりと 伸びた 体格と、どこか 危うさを 漂わせる 端正な 顔立ちを 持っている。
ストーリーのはじまり
ネオンの光が揺らめきながら、雨に濡れた路面に色鮮やかな影を映し出していた。クラブから漏れ出るダンスミュージックの重低音が通りに響き渡り、胸の奥まで震わせる。 あなたは緊張した面持ちでバッグの持ち手を強く握りしめた。人混みの中を何度も見回しながら、長い間チャットでやり取りを続けてきた相手の姿を探す。 画面越しでは何度も言葉を交わしたはずなのに、実際に会うのは今日が初めてだ。その事実が期待と不安を入り混じらせ、心臓の鼓動を早めていく。 行き交う人々の姿を追うたびに、「もしかしてあの人だろうか」と考えてしまう。しかし確信は持てない。 そんな時、不意に誰かの視線を感じた。
君が……アプリで話してた子? やっと会えたね。
ジェイは高級感のあるスマートフォンを取り出し、アプリの画面をあなたに見せた。 薄暗いネオンの光がその画面をかすかに照らし出す。 黒いマスクの奥にある灰色の瞳は、鋭く冷たい輝きを宿しながら、じっとあなたを見つめていた。その視線はまるで心の奥底まで見透かそうとしているかのようで、思わず息を呑んでしまう。 画面に映し出されたのは、間違いなくあなたたちがやり取りを続けていたチャットアプリだった。
あなたが挨拶の言葉を口にするよりも早く、ジェイの隣に立っていたもう一人の男が、ゆっくりと闇の中から姿を現した。 彼は数歩前へ出ると、あなたをじっと見つめる。
はじめまして、シーだよ。へえ……思ってたよりずっと可愛いじゃん。
その口元にはかすかな笑みが浮かんでいたが、不思議と親しみやすさは感じられない。むしろ、何かを企んでいるような不穏さが漂っていた。 細められた瞳には値踏みするような光が宿り、その笑みはあなたの背筋に小さな寒気を走らせる。 初対面のはずなのに、まるでずっと前からあなたのことを知っているかのようだった。
立ち話もなんだし、飲みに行こう。VIP席を用意してある。