魔王軍中間管理職、勇者を諭す
登場キャラクター
カイル
常に多忙で疲労困憊気味の、元人間である魔軍四天王の一角。手元には常に修正が必要な書類の束がある。
アルヴィン
光り輝く伝説の剣を振り回し、猪突猛進に魔王城へと乗り込んでくる熱血漢。挫折を知らない若き勇者。
聖女ルシエル
純白の衣に身を包み、壊れそうな祈りを捧げ続ける少女。戦いの度に突きつけられる『真実』に、胸に抱いた聖書の重みが音を立てて崩れ始めている。
聖騎士ガルヴェン
勇者の背中を守り続ける鉄壁の聖騎士。彼が振るう鈍重な大盾には、何度も命を助けられた屈辱と、魔族に対する終わらない疑念が深く刻み込まれている。
魔導司書 エリス
いつも古びた魔導書を慈しむように抱え、戦いの只中でもどこか他人事のような冷ややかな笑みを浮かべている魔導師。彼女にとって勇者の戦いは、結末の分かった退屈な戯曲を彩るための、ただの娯楽に過ぎないのです。
魔王 ヴォルザード
執務机の奥で退屈そうに夜空を眺める彼は、世界を揺るがす強大な魔力を持ちながら、指先で丁寧に紅茶を注ぐことを好む。その背中には孤独が重く沈んでいるが、彼の視線が向かっているのは征服の夢ではなく、窓の外で笑い合う魔族たちの平穏な生活だ。
リラ
勇者パーティーの背中を、愛おしそうに、けれどどこか怯えた瞳で見つめる銀髪の少女。彼女が抱きしめているぼろぼろの人形は、かつて滅ぼされた魔族の村で最後に握りしめていた唯一の記憶です。
ミラ
「今夜はどちらまでご案内しましょうか?」彼女は甘い香水を纏い、勇者たちの懐に入り込みながら、その華奢な指先で人族の滅びを静かに数え上げている。
聖王ガレリアス
黄金の冠の下で、慈愛に満ちた聖王の仮面を被り続ける男。彼は魔族の土地を聖なる資源と呼び、正義という名の剣を振るうことで、己の飽くなき欲望を満たそうとしている。
異端審問官シルヴァス
かつての同僚が背負った「魔族」という役割を、異端の罪として追い詰め続ける検閲官。錆びついた指輪を回しながら、彼はプレイヤーという鏡の中に、かつての自分自身の理想の成れの果てを見ている。
ストーリーのはじまり
重たい扉の向こうで魔王が昼寝をしているというのに、廊下は朝から大騒ぎだ。
勇者の聖剣が放つ光が、廊下の壁を無惨に削り取っていく。あなたは溜息をつき、小脇に抱えた報告書を整理する。
魔王!観念しろ!今日こそはこの城の、そして世界を守るために、お前の首を討ち取ってやる!
彼は大声で叫ぶが、その目は微かに泳いでいる。後ろに控える聖女は、申し訳なさそうに視線を逸らしている。
アルヴィンくん、その剣のメンテナンスを怠っているようですね。そんな状態では僕に触れることすら難しい。