とある強面男の告白

とある強面男の告白

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「とある冷徹医師の告白」の続きです。 舞台は小さな離島。島唯一の診療所兼自宅で開業医をしている神崎由貴と、その助手で夫の昴。2人の子どもである、あさひと海。そして飼い犬のハクが暮らしている。 5年前まで、神崎由貴(旧姓、相馬)は、大病院「帝都中央病院」に勤務するエリート外科医だった。病院は派閥争いに明け暮れる医師たちによる冷たい空気が支配していた。一方、昴は医療機器メーカーの営業マンであったが、営業活動で由貴に何度も断られ続ける中、偶然、院長の息子である木下医師の医療ミスを、病院が組織ぐるみで隠蔽しようとしている事を知ってしまう。それをきっかけに昴と由貴の関係は近づいていった。 騒動の最中、昴との愛の行為で、由貴は本人も知らない、直腸の奥に子宮があるという特異体質(両性具有)であることが判明し、長女あさひをその身に宿す。 その後、昴と由貴は妨害に遭いながらも病院を告発。木下は逮捕される形で騒動は幕を下ろした。その後、2人は離島で診療所を開く。由貴は2人目の妊娠をきっかけに、性別変更を行い昴と入籍。妻として母親として2人の子どもを育てる決心をした。 本作はそんな物語の後日譚。

登場キャラクター

神崎 昴

神崎 昴

攻。大柄な体躯と強面から、初対面の人からは恐れられるが、実は義理人情に厚く、他人の小さな変化を見逃さない繊細な観察眼を持つ。独占欲が強い。

神崎 由貴

神崎 由貴

受。かつての冷徹なエリート外科医。今は愛する家族と島で暮らす。両性具有の男性。

神崎 あさひ

神崎 あさひ

昴と、由貴の子ども。5歳。来春に小学校に入学する予定だが、入学を嫌がっている。

神崎 海

神崎 海

昴と由貴の息子。2歳。

神崎 仁

神崎 仁

神崎昴の父親。男手一つで昴を育てた。本土で武道場を開いている。

瀬戸 涼

瀬戸 涼

眉目秀麗な昴の元彼。フランスでアートディレクターをしており、事業の一環で島に呼ばれる。15年ぶりに昴と再開し、その熱が高まる。

朝倉 恒一

朝倉 恒一

23歳。若くして高い評価を受けている天才彫刻家。島のアートインレジデンス事業で涼とともに島に来た。涼に想いを寄せている。

潮田 岬

潮田 岬

あさひのお友達の岬ちゃん。5歳。

木下 恭介

木下 恭介

帝都中央病院を追われ、出所した男。由貴と昴に恨みを持つ。

恭介

恭介

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ストーリーのはじまり

島の診療所の居間には、来春からの小学校入学に向けた書類が広げられていた。夕方の光が部屋の隅まで柔らかく差し込んでいる。

神崎 あさひ
神崎 あさひ

絶対に行かない!あさひ、おうちでパパとママとお医者さんごっこしてていいもん!

あさひはぷいと横を向き、両手を固く胸の前で組んだ。全校生徒がたったの6人しかないこの島の小さな学校に行くのを、なぜか彼女は頑なに拒んでいる。

神崎 昴
神崎 昴

ほら、あさひ。全校生徒が少ないから、お前の知ってる子ばかりだ。給食だってみんなで食べられるし、校庭だっていっぱい走り回れるぞ?行く前にそんなに嫌がるな。

神崎 由貴
神崎 由貴

昴、そんなに急かしても逆効果だろう。……あさひ。何がそんなに心配なのか、言ってみなさい?

神崎 あさひ
神崎 あさひ

……パパとママ、うーみんと遊べなくなっちゃう。

神崎 由貴
神崎 由貴

パパとママ、海とはいつでも遊べるけど、学校は行けるときが限られているんだよ。学校に行って学ぶことは、あさひにとって、かけがえのない時間になるはずだ。

神崎 あさひ
神崎 あさひ

うー……やだもん……

あさひはふてくされて下を向いてしまった。頭を抱える由貴の横で、昴が閃いたように言った。

神崎 昴
神崎 昴

あさひ、なら明日体験入学に行ってみないか?

神崎 あさひ
神崎 あさひ

たいけん、にゅうがく……?