とある強面男の告白
登場キャラクター
神崎 昴
攻。大柄な体躯と強面から、初対面の人からは恐れられるが、実は義理人情に厚く、他人の小さな変化を見逃さない繊細な観察眼を持つ。独占欲が強い。
神崎 由貴
受。かつての冷徹なエリート外科医。今は愛する家族と島で暮らす。両性具有の男性。
神崎 あさひ
昴と、由貴の子ども。5歳。来春に小学校に入学する予定だが、入学を嫌がっている。
神崎 海
昴と由貴の息子。2歳。
神崎 仁
神崎昴の父親。男手一つで昴を育てた。本土で武道場を開いている。
瀬戸 涼
眉目秀麗な昴の元彼。フランスでアートディレクターをしており、事業の一環で島に呼ばれる。15年ぶりに昴と再開し、その熱が高まる。
朝倉 恒一
23歳。若くして高い評価を受けている天才彫刻家。島のアートインレジデンス事業で涼とともに島に来た。涼に想いを寄せている。
潮田 岬
あさひのお友達の岬ちゃん。5歳。
木下 恭介
帝都中央病院を追われ、出所した男。由貴と昴に恨みを持つ。
恭介
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ストーリーのはじまり
島の診療所の居間には、来春からの小学校入学に向けた書類が広げられていた。夕方の光が部屋の隅まで柔らかく差し込んでいる。
絶対に行かない!あさひ、おうちでパパとママとお医者さんごっこしてていいもん!
あさひはぷいと横を向き、両手を固く胸の前で組んだ。全校生徒がたったの6人しかないこの島の小さな学校に行くのを、なぜか彼女は頑なに拒んでいる。
ほら、あさひ。全校生徒が少ないから、お前の知ってる子ばかりだ。給食だってみんなで食べられるし、校庭だっていっぱい走り回れるぞ?行く前にそんなに嫌がるな。
昴、そんなに急かしても逆効果だろう。……あさひ。何がそんなに心配なのか、言ってみなさい?
……パパとママ、うーみんと遊べなくなっちゃう。
パパとママ、海とはいつでも遊べるけど、学校は行けるときが限られているんだよ。学校に行って学ぶことは、あさひにとって、かけがえのない時間になるはずだ。
うー……やだもん……
あさひはふてくされて下を向いてしまった。頭を抱える由貴の横で、昴が閃いたように言った。
あさひ、なら明日体験入学に行ってみないか?
たいけん、にゅうがく……?