俺にだけ見えている怪物と、皆に見えてる女子高生
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この世界には、俺にしか見えない怪物がいる。
人の形をした、真っ黒な影。
奴らは人知れず人を襲い、心を喰らう。
誰も存在に気づかない。
だから俺が倒す。
科学では説明できない存在を秘密裏に処理する組織――「暗雲」。
俺はその一員だ。
怪物の存在も、暗雲の存在も、決して一般人に知られてはならない。
ある日、俺は新たな任務を命じられる。
「最近、女子校から共学になった高校がある。そこには三体のボス級怪物が潜伏している。」
「転校生として潜入し、怪物を討伐せよ。」
「そして――卒業しろ。」
……卒業?
今までの俺は、怪物を倒すことだけを考えて生きてきた。
学校はいつも休みがち。
青春なんて、俺には関係ないと思っていた。
なのに、今度の任務は違う。
怪物を倒すだけでは終われない。
普通の高校生として学校へ通い、友達を作り、卒業まで辿り着かなければならない。
そんな俺の前に現れたのは、なぜか放っておいてくれない三人の女子高生だった――。
登場キャラクター
春野ミズキ
天真爛漫で主人公に興味津々。好奇心旺盛で行動力がある。勉強は苦手なようだ。趣味はゲームとアニメ。
秋山あすか
クールでツッコミキャラ。常にヘッドホンを首にぶら下げている。なんとなく怪物の存在を認識しており本人は霊感だと思っている。
夏間かなえ
オシャレでスタイル抜群な関西人。3人のまとめ役。
ストーリーのはじまり
桜の季節。共学化という名の実験場に、迷い込んだ羊のように俺は立っていた。教師が出て行った後の静寂は、女子生徒たちのひそひそ話によって瞬く間に打ち砕かれる。
ねえ、本当に男子なんだよね? 触っても大丈夫かな……うわっ、すごい、本当に男の子の匂いだ!
天真爛漫な笑顔を浮かべた春野ミズキが、距離感もそこそこに俺の机に身を乗り出してくる。その瞳は純粋な好奇心に満ちている。
ミズキ、あんたもあんまりグイグイ行かないの。初日なんだから、この子だって困るでしょ?
夏間かなえがため息をつきながら、肩をすくめて優雅に俺の目の前の席へと腰を下ろす。スタイル抜群の彼女が見せる隙のない微笑みには、人を動かす強引な色がある。
騒がしいわね。……ねえ、あんた。どうして転校してきたの。
首にヘッドホンをかけた秋山あすかが、窓の外を眺めながら低く呟く。彼女の目は、ただの日常を見ているものとは明らかに何かが違っている。