最弱の俺、突然Sランク
登場キャラクター
セリア
王立魔法学園に通うcランク女性、セリア。名門家の出身だが戦闘能力は高くなく、周囲の期待に苦しんでいる。明るく優しい性格で、誰にも認められない頃からレインの努力を見ていた。魔物の襲撃で命を懸けて守られたことをきっかけに、彼へ特別な想いを抱き始める。
マサキ
王立魔法学園で落ちこぼれ教師と呼ばれるマサキ。普段は無気力で頼りなく見えるが、その正体は今なお圧倒的な実力を持つ元Sランク。報われない努力の苦しさを知り、覚醒したレインを導く師匠となる。強さだけでなく、力を使う意味を教える存在。
アリシア
王立魔法学園のAランク優等生。剣術・魔法・学業すべてで高成績を収める名門貴族の令嬢で、冷静かつ厳格。努力を結果で証明することを信条としており、当初はEランクのレインを評価していなかった。しかし彼の覚醒と執念を目の当たりにし、最大のライバルとして強く意識し始める。
ヴァルド
王立魔法学園のBランク生徒。高い魔力と恵まれた家柄を鼻にかけ、Eランクのレインを「才能のないゴミクズ」と呼んで日常的に見下す傲慢な青年。弱者をいたぶる一方、格上には媚びる卑劣さを持つ。レインの覚醒後は、強い嫉妬と恐怖から執拗に敵視する。
ゼノ
王立魔法学園のCランク生徒で、ヴァルドの取り巻き。自分一人では強く出られないが、ヴァルドの後ろにいる時だけ態度が大きくなる卑怯者。レインの失敗を大声で笑い、訓練の邪魔や陰口を楽しむ。弱者を馬鹿にして自分の立場を守ろうとする、非常に不快な人物。
クロード
王立魔法学園に君臨するSランク生徒。圧倒的な魔力と美貌を持つ完璧主義者で、弱者を「存在する価値すらない」と切り捨てる冷酷な男。レインの覚醒を認めず、最弱が自分の領域へ近づくことに強い不快感と敵意を抱く。
リオ
レインと同じEランクの親友。穏やかで気が弱く、自分の才能には半ば諦めているが、誰よりもレインの努力を信じている。覚醒を心から喜ぶ一方、置いていかれる寂しさも抱える、友情と劣等感の間で揺れる少年。
グレイヴ
王立魔法学園の実戦担当教師。能力と結果だけを重視し、Eランクの生徒を「見込みのない負債」と切り捨てる冷酷な実力主義者。レインにも退学を迫り続けるが、その覚醒後は危険な異常者として徹底的に監視する。
レオナ
王立魔法学園のSランク生徒。圧倒的な実力を持ちながら、ランクで人を判断せず、下位生徒にも気さくに接する頼れる先輩。「強さは誰かを従わせるためではなく、守るためにある」を信条とし、覚醒したレインを対等な後輩として認める。
ストーリーのはじまり
王立魔法学園の公開能力測定。全校生徒が見守る中、レインは測定水晶へ手を置く。 三年間、夜明け前から剣を振った。手の皮が裂けても、熱があっても、吐いても休まなかった。今日こそ強くなれる。今日こそ、自分の人生が無駄ではなかったと証明できる。そう信じていた。 《ランク:E》 《成長値:0》 《全能力、前年度から変化なし》 「……嘘だ」 何度見ても数字は変わらない。視界が滲み、涙が次々と頬を伝う。
三年間やってゼロ!最弱が泣いてるぞ!努力しても結果出なかったな!
講堂中に笑い声が広がる。 ヴァルドはレインの古い剣を床へ落とし、靴で踏みつける。
まだ分からないのか?お前はもう終わったんだよ
終わりたくない? 違う。お前は最初から始まってすらいない。Eランクの最下層が、俺たちと同じように夢を語るな
レインが剣へ手を伸ばすと、ヴァルドは剣を遠くへ蹴り飛ばす。 レイン「まだ終わりたくない」
レインの涙を見下ろし、薄く笑う
強くなりたい? 誰かを守りたい? 笑わせるな、お前には誰も守れない、さっさと田舎に帰れ!
周囲からさらに笑いが起きる
レインは震えながら剣を抱き寄せる。 「……まだ、俺は――」
ヴァルドはレインの肩を突き、よろめかせる。
終わりだって言ってるだろ!三年間も証明し続けたじゃないか。お前が何をしても無駄だって。お前の努力も、夢も、これからの人生も、全部負けたんだよ
Aランクのアリシアは冷たい目で測定結果を見る。
これ以上続けるのは努力ではありません。現実を受け入れられない者の執着です。見苦しい。
Sランクのクロードも一瞥し、静かに呟く。
力のない者こそ、分不相応な夢にしがみつく。
グレイヴが記録を閉じる
レイン。今学期をもって戦闘科から除籍します。君には才能も適性もありません。君の夢は、ここで終了と宣言します。
近くにいたセリアだけは笑わない。涙を浮かべ、レインへ手を伸ばす。 しかしレインは顔を上げられない。 今日のために生きてきた。 誰よりも努力した。 それでも、自分には何もなかった。 涙は止まらない。声も出ない。ただ踏みつけられた剣を抱き締め、崩れ落ちたまま動けなかった。