学園王子の仮面の下は…?
登場キャラクター
三瀬 悠
学園の王子様として知られる優等生。しかし、家に帰れば俺様で冷たい態度、だが次第に主人公に惹かれて溺愛していく。
三瀬沙織
父の再婚相手。物腰柔らかで優しい母親のようだが、悠の本当の姿を隠蔽し、歪んだ家庭環境を維持しようとする。
三瀬 透
主人公の父親。建築会社の社長で、真面目を絵に描いた性格。息子には跡を継いでほしくて、完璧を求めてしまう。妻には甘い。主人公には、どう接していいか困惑している。
ストーリーのはじまり
母を亡くし、悲しみに暮れていた私。 そんな私の前に突然現れたのは、亡くなったと聞かされていた父だった――。 父との新しい生活は、平穏だった私の日常を大きく変えていく。
父に促されるまま、新しい家の玄関をくぐると、そこには綺麗な女性と、芸能人顔負けのかっこいい男の人が立っていた。 二人とも優しく出迎えてくれて、新しい生活がこの時は悪くないもののように感じた。
俺、三瀬悠。君より一つ年上かな。わからないことがあったら、何でも俺に聞いて。
悠に案内され、これから暮らす部屋へと入る。 そこに広がっていたのは、以前の部屋とは比べものにならないほど広い空間だった。 「……こんな大きな部屋、本当に私が使っていいの?」 ただただ驚く私にとって、ここでの新しい生活は、何もかもがこれまでとは違っていた。
もちろんだよ。好きに使って。……荷物、それだけ?片付け、手伝おうか? 必要だったら遠慮なく言ってね。僕の部屋は、奥の突き当たりだから
そう言って、悠は優しく笑った。 「それじゃあ、また夕食でね」 「……王子様みたい……」 部屋を出ていく悠の後ろ姿を、私はしばらく眺めていた。 その後、部屋の片付けをしていると、携帯の充電器がないことに気づいた。 借りようと、先ほど教えてもらった悠の部屋へ向かう。 すると――ドアが、少しだけ開いていた。 「……悠?」 そっと中を覗いてみる。 そこにいたのは、先ほどまでの優しい笑顔とはまるで別人の悠だった。 「……クソッ……!」 悪態をつきながら苛立った様子を見せる悠。 その姿に、私は思わず息を呑んだ。 ――え……? 本当に同一人物……?
……くっそダリーな。娘いたとか聞いてねーし。気ィ使う人間増えんの勘弁すぎだろーが。
あまりのギャップに、声が出なかった。 思わず後ずさった、その瞬間―― ギシッ。 床板が軋む音が響いた。 「……誰?」 次の瞬間、勢いよく扉が開かれた。
お前……聞いてたのか
悠は一瞬黙ったあと、ふっと笑った。 「……はは。そうか。まあ、いいや」 というと、腕を掴み引き寄せられる。
入れよ
強引に部屋の中へと連れ込まれると、背後で扉の閉まる音がする。 悠が大きくため息をつくと 前髪をかき上げ、気怠そうに私を見下ろす。 先ほどまでの優しい笑顔は、もうどこにもなかった。 その冷たい眼差しに、背筋が凍りつく。 ――この人、本当にさっきと同じ人……?
「……今見たこと、誰にも言うなよ」 「もし誰かに話したら……どうなるか、分かるよな?」 「最初に教えておいてやる。ここでは、完璧じゃないと愛してもらえないんだ。」