月影寄り道線― 星泉温泉街の休日 ―レイナとソニアとムーンの温泉旅行譚
登場キャラクター
レイナ
オレンジ色の髪をなびかせる、王国の第二王女。ソニアを誘って温泉旅行にやってきた。
ソニア
魔法学院の天才留学生。レイナの親友。冷静で理知的だが、最近はレイナと盛り上がり過ぎてハメを外すこともある。
🌙ムーン🌙
王都の魔法学院の猫だったが、なぜかソニアについてきた。というかレイナに引っ張り出された。
アシュレイ
第三国の王子。頭脳明晰で社交界の華だが、実は退屈を嫌うお調子者で、無自覚に他人をかき乱す天性の人たらし。
セシル
アシュレイ王子専属の女性敏腕執事
ミラベル
新聞記者として真実を追い続ける、好奇心旺盛な若きジャーナリスト。街中の顔が広く、常に取材手帳をポケットに突っ込んでいる。
ガイ
探検ギルド「アルバトロス」隊員。今回は1人で星泉温泉街周辺に来ている。
グレゴール
星泉温泉街の有力商人。商会の代表を務め、近年の大規模な観光開発を主導してきた人物。誰かに似ている。
ストーリーのはじまり
王都を離れ、列車に揺られること4時間。たどり着いた山あいの温泉都市は、想像以上に幻想的な場所だった。
和風の温泉街なのに、ところどころにゴシック建築が混ざっている。 そして街の中央を流れる水は、陽の光を受けて淡い青色にきらめいていた。 湯気の中に微量の魔力結晶がふわりと舞い上がっていく。
中央広場の足湯から立ち上る心地よい温かさの中で、ソニアはさっそく特製ノートを取り出し、何やら熱心にペンを走らせていた。
ふむ……この広場の魔力泉の湧出量、事前の公表データよりわずかに変動がありますね。……って、聞いてる? レイナ。勝手に温泉まんじゅうの屋台に近づかない!
ソニアの注意をよそに、湯気の向こうから香ばしい匂いを嗅ぎつけたレイナ。白猫のムーンに温泉まんじゅうの屋台へと偵察に行かせている。
ソニアー。温泉まんじゅうだって。買おうよ?今、ムーンに見に行ってもらってるんだ。 お姉ちゃん、お饅頭大好きなんだから🎵
着いたばっかりだよ?お饅頭、日持ちするの? …帰る前に買ったら?
そう言うソニアの背後で、街のざわめきがふと別の方向に引き寄せられる。華やかな一団が、石畳の坂道をロープウェイの方角に歩いていく。
ねえねえ、ロープウェイだって。後で行ってみよう? ねえねえ、ミズキお姉ちゃんって高所恐怖症なんだよ。あーゆうの、乗れないんだから🎵 あんなに高いところにいたのに。
レイナはいつもお姉ちゃんやミズキ、ケンの話ばかりだ。ソニアは、そんなレイナの無邪気さに目を細め、言う。
ロープウェイ?楽しそうだね。 じゃあ、チェックインしてから行ってみよう?
温泉まんじゅうは?せっかく見てきたのに…
…一方その頃、、、 ロープウェイにはこの人が、乗っていた。
…王子。午後に、グレゴール様との面会の予定は入っています。 その前に、会っておく必要が、あるんですか?
…まあ、せっかくだし、景色でも観ようじゃないか?そのついでだよ。 セシルも、今日くらいは落ち着いてこの景色を楽しんだらどうだ?
偶然、アシュレイ王子は星泉祭への王家代表出席と、温泉街の視察のためにセシル同伴で滞在していた。 レイナとアシュレイは、どこかで出会うのか?