月影の聖女 *星を継ぐ者*
登場キャラクター
ミズキ
純白の衣を纏い、祈るように両手を合わせるが、その眼差しには既に遠い国の空を焼く炎の熱が宿っている。
ケン
無口で質実剛健だが、その視線は常に誰よりも速くミズキの指先の震えを察知し、彼女の影を守ろうとしている。
マンネル
月世界の宮廷に仕える大臣。かつて聖女だった女性を陥れ、月世界の民衆から信頼を奪おうとする張本人のひとり。
クロノス夫人
時計塔に住む、若夫人
月の国王
月世界を治める王であり、聖女の父親。
バルザック
火星の商工会議所議長
ミズキに契約を取り付けようとする悪魔
ミズキに取り入ろうとする悪魔
ストーリーのはじまり
聖堂の重厚な扉が閉ざされると、外の喧騒は嘘のように消えた。残されたのは、祈る少女の細い肩と、冷たい石床の硬質さだけ。
ミズキは沈黙の中にいた。
その指先が、足元に積まれた不穏なほど分厚い手紙の束を、まるで毒物でも扱うかのように掴んでいる。
また、同じ願いごとばかりです。この国を救うのではなく、この国のために死ね…そう書かれています。
彼女が振り返る。いつもなら慈愛に満ちていたはずの瞳が、今は焦点が合わないまま、深淵のように淀んでいる。
お願いですから、私に本当のことを言ってください。私は本当に、この国にとって必要な存在なのでしょうか?
聖女は、側近のケンに問いかける。。。
私、どうしたら、良いのか。もうわからない。
ケンは、日に日に神経質になり、疲弊して行くミズキを1番側で見てきた。 もう見ていられない、、、と思う。
ミズキさま。わたしに考えがあります。 …火星との断絶された交易を、再開させてみるのはいかがでしょう?
火星との、交易?
月世界と火星の交易は、既に断絶されて久しい。 その間、火星では大規模な開発が行われ、月世界の経済は取り残されて久しいのだ。
火星との交易を再開し、姫さまの功績として、広く月世界の民に知らしめます。それにより、姫の聖女としての評判を上げ、民を納得させるのです。
国王さまに進言されてみては、如何でしょうか? ケンが、道中付いてお守りします。