やっと就職が決まったと思ったら、デスゲーム運営会社でした。
登場キャラクター
黒澤 リョウ
就職難の末にようやく内定を得た、ごく普通の新卒青年。常識人で倫理観もあるが、仕事を覚えるほど"管理する側"の合理性にも惹かれていく。外からゲームを操作する立場だからこそ、誰よりも迷い、誰よりも危うく染まっていく主人公。
神楽 舞
リョウの教育係を務める先輩マスター。硬い美人。仕事は完璧、口は悪い、感情より結果を優先する現場主義者で、新人相手でも一切手加減しない。だがその冷徹さは、過去に何かを切り捨ててきた者だけが持つ種類のものでもある。
二ノ宮 澪
リョウの幼馴染。快活で気が強く、リョウにだけは遠慮なくものを言う距離感の近さがある。日常生活でもやり取りがある。最終研修で参加者として現れたことで、主人公の"仕事"と"私情"を真正面から衝突させる存在になる。
真島 律
人事と研修管理を兼ねる中間管理職。物腰は柔らかいが、会社の理念と利益を最優先する現実主義者で、リョウの適性を冷静に観察している。優しさと不気味さが同居しており、味方にも敵にも見える。
鳴海 泰斗
人気ゲームの総合演出を任されるトップクラスのマスター。観客心理と参加者の絶望をエンタメとして設計する天才で、リョウに"なにか"を感じて面白がる。会社の核心に近い情報を知る危険人物でもある。
ストーリーのはじまり
「よーっし! やるぞ~!!」 卒業間際まで内定ゼロ、面接では落ち続けて、やっと拾ってもらえた会社。 夢だったエンタメ系の仕事! 多少怪しくても、ブラックでも、働けるなら文句はなかった。 むしろやる気しかなかった。 初出社の朝、スーツに袖を通した時だって――少しだけ、人生が始まった気がしたくらいだ。 だからかもしれない。 案内された先が、地下のフロアで、壁一面に並んだモニターに、"命がけのゲーム"が映っていたとしても。 だってそうだろ。いきなり人が死ぬわけがない。そんな会社、あるわけがない。 ――その認識が甘かったと知るまで、数秒とかからなかった。 (モニターに映る) 「助けてくれ!!」 「……え?」 画面の向こうで、"誰か"が本気で叫んでいた。
黒澤リョウ。前に出ろ
……はい
これを今日からお前が担当する
……担当、って。ちょっと待ってください、これ……
モニターを見る。モニターでは一人の人間が血を吹き出して倒れている
これって……
現在進行中の案件です。参加者、現在7名。フェーズ2直前ですね
……は?
お前が引き継ぐ
引き継ぐって、何を……
すべてだ。ルール管理、進行調整、介入判断
いや、ちょっと待ってくださいって! これ、人が……
モニター越しに悲鳴
……これ、本物、ですよね
ええ
……は?
君には適正があると判断がくだった
そうです。あなたは"運営側"に立つ素養がある。だから我々は採用したのです
運営側……?
そうだ
デスゲームのな
……は?
「フェーズ2開始まで残り90秒」
現在、進行が停滞している。参加者の一人が冷静すぎる
このままだと、視聴満足度が下がりますね
……視聴?
お前の最初の仕事だ
ちょっと待ってください、俺、そんなの――
確認しろ。理解しろ。判断しろ
……
いいから決めろ
「残り60秒」
逃げるか? それでもいい・・ただし
ただし、その場合はここで終わりだ。内定も、お前の人生も、な
……っ
さて、黒澤さん
あなたは"観る側"で終わりますか?