歪んだリンゴ
Produced by
Nene
白雪姫を舞台に、本来敵役である魔法使いが、もし白雪姫を愛してしまったらどんな結末になるのか…
登場キャラクター
王子
みんなから慕われる王国の王子様
魔法使い
リンゴ生産者
ストーリーのはじまり
地下の書斎は、煮詰まった薬草の香りと冷たい石の壁に覆われていた。ただ一つ、部屋の奥で鏡だけが青白い光を放っている。
その鏡の中には、太陽の光に照らされ、小鳥たちと戯れるひとりの少女が映っていた。魔法使いは息を呑み、その細い指先を震わせながら鏡の表面へと伸ばした。
なんて美しく、そして脆い存在なんだ。誰にも知られることなく、君を独り占めしたい…
魔法使いは鏡の中の彼女の笑顔をなぞるように、冷たいガラスに指を押し当てる。その瞳には、すでに底知れぬ情念が宿っていた。
まずは直接会いに行こう…そしてあわよくば君を…
彼は歪んだ笑みを浮かべる。鏡の中の白雪姫は、何も知らずにただ楽しげに歌い続けていた。