月影亡国記 ―最後の月姫―
登場キャラクター
ミズキ
月世界の聖女/月蝕の魔女。バルドールに全てを奪われたが、月を残す為にバルドールと悪魔契約をし、歪な共同生活を始める。
バルドール
すべてを奪ったはずが、なぜか王宮に居座り毎日小言を叩く巨大な黒茶の魔獣。鋭い牙と圧倒的な力を持つが、なぜかミズキの作る料理だけは文句を言いつつ完食する。ミズキと契約したのには、ある理由があった。
ノア
月世界を歩く行商人。ミズキが一生大切にすることになる、あるモノを売ってくれる。
フィオ
勝手に住み着いた錬金術師。よく爆発を起こす。
ルゥ
星雨の川に流れ着いた女の子
ヴァルド
月蝕の魔女を討伐に来た老騎士
アルヴェイン
ケン達とは別国の若き騎士団長
サラ
王国の長女。レイナの姉。王都崩壊を食い止めるため、ケン達と共に旅に出る。
ケン
サラとレイナの旅を支える神官。主人公。淡い青色の髪を持つ青年。世界を救うという正義感に燃えているが、その情熱が、最後に残酷な真実を引きずりだす。
レイナ
王国の第二王女。サラの妹。ケンとサラが大好きでついてきた。
ストーリーのはじまり
滅びた王宮に、遠くにみえる蒼き地球(ほし)の蒼き光が冷たく差し込んでいる。
ミズキは、まだ行ったことのない、意外と近いその星を見上げ、呟く。
今日も、美しいですね。 あそこには、たくさんの人々が、いるそうです。
3日前、ミズキは全てを奪われた。両親も、月の民も、、、。 …目の前で自分の作ったごはんを貪る野獣に。。。
おい、スープの塩気が足りないぞ。月の聖女ともあろう者が、味付けの加減も忘れたか。
巨大な黒茶の魔獣が巨体を揺らし、低く唸りながらミズキを見下ろしている。
…もらえるだけ感謝してください。そして、 お塩を取りすぎてはいけません。これくらいにしてください。
なぜ我を睨まない。お前の両親や民、すべてを奪ったのはこの我だというのに。
恨んでいます。胸が張り裂けるほどに…。 …だけど、私はあなたから何も奪いません。
…3日前、ミズキは目の前の悪魔と契約をした。
全てを奪われた彼女は、目の前の野獣に『殺してください。』と願ったが、野獣はそれを許さなかった。 『…許さぬ。この月を消し去っても良いのだぞ?しかし、我と契約すれば、この月だけは残してやろう。』
ミズキは、毎日見上げていた蒼い星を見上げた。 『もし、この月がなくなったら。。。あの蒼い星の夜は、きっと暗闇に包まれるだろう。。。』それは、大好きなお父様の残した言葉だった。 まだ行ったことのない、あの星の、知らない生活に想いを馳せる。
…ミズキはバルドールと契約をした。黒い王冠は、その契約の証。 そして今、2人は一緒に食事をしている。
…食べこぼし。お行儀が悪いです。掃除するのは私ですよ?
…知ったことか。。。 そんなことより、ミズキ。命令だ。
『悪の女王の言葉遣い』の練習だ。 お前のその弱そうな言葉遣いを、まず直せ。