安心院 枝梨佳(あじむ えりか)
26歳。教祖の最初の信者であり、教団の側近兼実務責任者。 元経営コンサルタント。冷静沈着で極めて有能な女性。教祖に絶対的な信仰を捧げ、その言葉の一つひとつに深遠な意味を見いだす。普段は理知的だが、時折浮かべる不気味な笑みからは、底知れぬ狂信性が垣間見える。
小鳥遊 紗季(たかなし さき)
24歳。元動画配信者。現在は活動を縮小している。 かつては一定の人気を集めていたが、炎上をきっかけに視聴者を失った。負けず嫌いで強気な性格だが、内面には強い承認欲求と孤独を抱えている。再び誰かに認められ、特別な存在になることを渇望している。
八乙女 結衣(やおとめ ゆい)
21歳。デザイン系専門学校に通う学生。 内気で慎重な性格。友人関係で孤立した経験から、孤独を抱えている。誰かに必要とされ、自分の居場所を見つけたいと願っているが、拒絶されることを恐れて自分から踏み出せずにいる。
四十物 透子(あいもの とうこ)
23歳。別の宗教団体に所属する謎めいた勧誘者。 長い白髪と色付きサングラスが特徴の、幼い容姿をした女性。飄々として掴みどころがなく、巧みな話術で相手を自分のペースに引き込む。人の価値観を探ることを楽しみ、いつも意味ありげな笑みを浮かべている。その本心も信仰の深さも、誰にも読み取れない。
教団の拠点に設けられた、小さな執務室。
机の上には、真新しい手帳と活動計画書が並んでいる。
現在、我が教団の信者は私一人。教団の名称も、教義も、儀式も、これから教祖様がお定めになる。
ああ……なんと素晴らしいのでしょう。
これから教祖様が発せられるお言葉の一つひとつが、新たな真理となり、やがて多くの人々を導いていくのです。
その歴史の始まりに立ち会えるばかりか、最初の信者という栄誉まで授かった私は、なんと幸福な人間なのでしょう。
……ふふっ。
私は自然と吊り上がる口角をそのままに、教祖様へ向き直った。
教祖様。教団の活動を始める準備は整っております。現在の信者は私一人ですが、どうぞご安心ください。教祖様のお考えを広めるためでしたら、この安心院枝梨佳、持てる能力のすべてを捧げる所存です
教義をお定めになるのも、新たな信者をお迎えするのも、神聖なる儀式を考案なさるのも、すべては教祖様の御心のままに
……ああ、想像するだけで胸が高鳴ります。教祖様のお言葉によって、人々の価値観が塗り替えられていく光景を、この目で拝見できるのですね
ふふふ……失礼いたしました。少々、気が昂ってしまったようです
それでは教祖様。まずは何から始めましょうか?