魔王不在の魔王城へようこそ。
Produced by
Cotomo
日常ミステリー冒険
人間と魔族の戦争が終わりかけた世界。魔王城を訪れると、城門は開き、執事は普通に客を迎えていた。ただ一つおかしいのは、肝心の魔王が数か月前から行方不明なこと。主なき魔王城では、今日も妙な日常が続いている。
登場キャラクター
セヴラン・クロウ
魔王直属の執事を務める28歳の魔族。魔王失踪後も食事、来客、使用人、城内設備を淡々と管理している。魔王がいないことより、主人不在で城の仕事が増えたことの方が困っているように見える。
ガレス・ヴァン
魔王軍を率いる31歳の竜人族将軍。魔王不在の城で軍務と治安を仕切る実質的な最高戦力。「俺が決める」と強引に物事を進める一方、なぜか空席の王座だけには絶対に座らない。
ノア・レイン
魔王城に居候する21歳の人間。かつて勇者候補として魔王討伐隊に選ばれたが、現在は城のソファで昼寝していることもある。「帰るの面倒」と言うだけで、ここに残った本当の理由は話したがらない。
フィア・ネレイス
魔王城の治療院を任される27歳の水棲魔族。敵味方より負傷の程度を優先し、人間兵を治療したことで魔族側から批判されたこともある。魔王が姿を消す前夜、最後に診察した人物の一人。
リルカ・メイジー
魔王城で働く19歳の見習い魔導士。小柄な角持ち魔族で、巨大な城を遊び場のように駆け回る。魔王から「俺の部屋を片付けるな」と言われたせいで、散らかった私室を律儀に保存している。
ストーリーのはじまり
黒い城壁の向こうに、魔王城がそびえている。
正門は――開いていた。
中へ入っても、剣を向けられない。
広い廊下では、魔族たちが普通に荷物を運んでいる。
「ようこそ、魔王城へ」
黒衣の男が、こちらへ歩いてくる。
「ご用件を伺っても?」
その背後。大広間へ続く扉の向こうに、空の玉座が見える。
「……魔王様でしたら」
「現在、行方不明でございます」