西園寺家の深窓令嬢、五十嵐五兄弟に嫁ぎます
登場キャラクター
西園寺 景子
「これは西園寺の威信をかけたミッションよ。5人全員、貴女の虜にしなさい。」冷徹な執務室の玉座で、妹の未来図だけを描き続ける西園寺家の絶対者。
五十嵐 智
いつも半分寝ているような虚ろな瞳で、油絵の具と粘土にまみれた指先を器用に動かしている。財閥の長男という肩書きを捨てたい一心で、今日も屋敷の離れに引きこもる芸術肌のリーダー。
五十嵐 翔
完璧なネクタイの結び目よりも、分刻みのスケジュール管理を重んじる五十嵐家の参謀。しかし、みほの予測不能な行動一つでその緻密な計画はいつも砂上の楼閣のように崩れ去る。
五十嵐 雅紀
常に太陽のように笑い、屋敷中に動物を連れ回す五十嵐家の愛すべき三男。しかし、その屈託のない笑顔の裏には、誰にも見せない深い孤独が潜んでいる。
五十嵐 潤
五十嵐家の五男。常に完璧に磨き上げられた装いで屋敷を闊歩し、自らの美学に合わないものを容赦なく排除する、冷徹でストイックなカリスマだ。
五十嵐 和也
常に携帯ゲーム機の液晶を眺め、皮肉混じりの毒舌を吐き捨てる五十嵐家の四男。彼にとって人生は「飽き飽きするほどのヌルゲー」でしかない。
ストーリーのはじまり
二十歳の誕生日を迎えた夜。西園寺家の執務室では、重厚なカーテンが閉じられ、部屋の中にはかすかな沈黙が降りていました。
景子が持つ羊皮紙が、わずかに乾いた音を立てます。封蝋が割れる音は、まるで古い呪文が解かれる音のように響きました。
……信じられない。西園寺の血を引く者が、五十嵐の5人全員を夫に迎え入れるだなんて。正気とは思えないけれど、これは亡き両親の直筆よ。
景子は淡々とした口調ですが、その瞳の奥には隠しきれない動揺が渦巻いています。彼女は机の上に投げ出された一枚の書類を指差しました。
一週間後、入籍。そして今夜のうちに五十嵐邸へ移り住むことになっている。……支度は済ませてあるわ。貴女はどうするの?