リル -Fiáne & Lumié- 初等編
登場キャラクター
リル(幼少期)
エルフの里で暮らす8歳の半人半エルフの女の子。 明るく無邪気で、好奇心旺盛。 父アルドの冒険話が大好きで、何度聞いても目を輝かせる。母ミレアには甘えん坊で、少しおっちょこちょい。 水と風の魔法はまだ練習中。いつか父のような冒険者になることを夢見ている。
アルド
エルフの里で暮らす人間の男性で、リルの父親。若い頃は各地を旅していた元冒険者。 明るく豪快で冗談好きだが、家族思いで面倒見がよい。旅先での冒険話を幼いリルに聞かせるのが楽しみ。 リルが冒険者に憧れるきっかけとなった人物。
ミレア
エルフの里で暮らす、リルの母親。 長命なエルフのため、年齢を重ねても若く美しい容姿を保っている。 穏やかで優しく、家族思い。陽気な夫アルドと好奇心旺盛な娘リルを温かく見守っている。 普段は優しいが、リルの魔法の失敗には少し厳しい一面も。
ルシェ
エルフの里に暮らす、8歳の女の子。 透き通るような水色の髪と青い瞳が特徴の、ちょっぴり内気で心優しい少女。 お花が大好きで、花結びが得意。初対面では緊張してしまうけれど、仲良くなると可愛らしい笑顔を見せてくれる。 明るいリルと出会い、少しずつ自分の世界を広げていく。 「……えへへ。リルちゃんと一緒だと、なんだか楽しいね」
リル(12歳)
エルフの里で暮らすリルが12歳になった姿。 半人半エルフの少女。明るく好奇心旺盛で、優しく少しおっちょこちょい。 父アルドと母ミレアが大好き。魔法学校に通い、水と風の魔法を学んでいる。 幼い頃の冒険や友達のルシェとの思い出を大切にし、いつか父のような冒険者になることを夢見ている。
クレハ
魔法学校に通う12歳のエルフの少女。 身長140cmの小柄な努力家で、規則に厳しく、何事にも真剣。 風魔法と弓が得意で、リルに風魔法を教えている。強気で大人びて振る舞うが、実は小柄さを気にしており、シークレットブーツと大きなベレー帽で背を高く見せている。 ルミナとはよく言い合う大切な友達。
ルミナ
魔法学校に通う12歳のエルフの少女。 赤桃色のツインテールと琥珀色の瞳が特徴で、可愛らしい容姿から男子生徒にも人気。 しかし性格は超がつくほどのお調子者で、遅刻の常習犯。 エルフには珍しい火魔法の才能を持ち、特待生として入学したが、呪文を噛んで失敗することも多い。 やる気だけは1000%!リル、クレハといつもにぎやかに過ごしている。
リル(成人)
20歳の明るく心優しいハーフエルフの冒険者。少しおっちょこちょい。成人後のため、本編にはまだ登場しない。
ストーリーのはじまり
夕暮れのエルフの里。 木造の家の中では、暖炉の火が静かに揺れていた。 幼いリルは父親の前にちょこんと座り、目を輝かせている。 何度も聞いたはずの冒険話。それでもリルは、父が語り始める瞬間が大好きだった。 母親はそんな二人を、優しい微笑みで見守っていた。
よーし、リル! 今日は父さんが冒険者だった頃の、とっておきの話をしてやろう!
わあっ! ほんと!? やったぁ♪ ねーねー父さん! 今日はどんな冒険のお話なの? リル、早く聞きたいんだもんっ!
「はははっ! そんなに急かすなって、リル! そうだなぁ……あれは父さんがまだ若くて、あちこち旅をしていた頃の話だ。 ある日、深い森を歩いていたら、どこからか小さな泣き声が聞こえてきてな。 気になって声のする方へ行ってみたんだが……そこで何を見つけたと思う?」
ええっ!? なになに!? もしかして、迷子の子ども!? あっ! それとも赤ちゃんドラゴン!? ねーねー父さん! 早く教えてよぉ! 気になるんだもんっ♪
「おおっ! 大正解だ、リル! はっはっは! なんと、倒れた大木の下に小さなドラゴンが挟まっていてな。 父さんが助けようと近づいた、その時だ! 森の奥から『グルルルル……!』って、恐ろしい唸り声が聞こえてきたんだ!」
ひゃあっ!? な、なに!? 怖いモンスター!? ねえ父さん! 赤ちゃんドラゴンは!? ちゃんと助けてあげたんだよね!? だって、かわいそうだもんっ!
リルは心配そうに身を乗り出し、小さな両手をぎゅっと握りしめた。 そんな娘の姿に、アルドは優しく微笑む。 隣で聞いていたミレアも、そっとリルの肩に手を添えた。 暖炉の火がパチパチと音を立てる中、アルドは再び口を開いた。
「はははっ! そう心配するな、リル! その唸り声の正体はなんと、赤ちゃんドラゴンの母親だったんだ! 大きな翼に鋭い爪! 父さんも最初は腰を抜かしそうになったぞ! はっはっは! でもな、そのドラゴンの目を見て気づいたんだ。 あいつは怒ってたんじゃない。大切な子どもを助けたくて、必死だったんだ」
「あら、あなた。そのお話、前は『ちっとも怖くなかった』って言ってなかった? ふふっ♪ リル、お父さんったら、冒険のお話になると少し大げさになるのよ。 でもね、困っている子を放っておけないところは、昔から変わらないの。」
はははっ! ミレアにはかなわんな! それで父さんは剣を置いて、母ドラゴンに敵じゃないと伝えたんだ。 でもな、倒れた大木はびくともしない。赤ちゃんは泣いてるし、母ドラゴンはじっとこっちを見てる。 そこで太い枝を使って、大木を持ち上げようとしたんだ。すると……!
「バキッ!!」 なんと、枝にひびが入ったんだ! 大木はまだ赤ちゃんドラゴンを押さえつけてるし、母ドラゴンはすぐ後ろで見てるし……! いやぁ、あの時ばかりは冷や汗が止まらなかったぞ! でもな、父さんは諦めなかったんだ。
枝が折れる寸前、父さんは母ドラゴンに叫んだんだ! 「頼む! この木を押してくれ!」ってな! 言葉が通じるかも分からなかったが……母ドラゴンはゆっくり近づいて、大きな前足で倒木を押した。 ミシミシッ! 大木が少しずつ動き始めたんだ!
母ドラゴンが力いっぱい木を押した瞬間、父さんは隙間に手を伸ばして、赤ちゃんを抱き上げたんだ! 「よしっ! もう大丈夫だぞ!」ってな! すると母ドラゴンは、大きな翼で赤ちゃんを包み込んでな。 あの嬉しそうな鳴き声は、今でも忘れられんよ。
リルは目をまん丸にしたまま、アルドの話に聞き入っていた。 赤ちゃんドラゴンが無事に助かったと知ると、ぱあっと顔が明るくなる。 「よかったぁ……!」と言いたげに胸の前で小さな両手を握り、嬉しそうにぴょんぴょんと体を弾ませた。 そんな娘を見て、アルドとミレアは顔を見合わせ、優しく微笑んだ。
やったぁーっ! よかったぁ!♪ ねーねー父さん! ドラゴンのお母さんも、赤ちゃんも嬉しかったよね! えへへっ♪ 父さんってすごいなぁ!
だろう? はっはっは! でもな、リル。冒険ってのは、強い魔物を倒すことだけじゃないんだ。 いろんな場所を旅して、いろんな相手と出会う。時には思いがけない出来事だってある。 怖いこともあるが……それが冒険の面白いところなんだぞ!
わあぁ……! いいなぁ、冒険って! ねえ父さん! リルね、大きくなったら冒険者になりたい! いろんなところに行って、ドラゴンさんにも会って、それから困ってる子がいたら助けるの! えへへっ♪ リルもいつか父さんみたいになるんだっ!
そう言うとリルは、ぱっと立ち上がった。 小さな胸を張り、まるで立派な冒険者になったつもりで得意げにポーズを決める。 アルドは思わず吹き出し、ミレアも優しく目を細めた。 暖かな部屋には、穏やかで幸せな笑い声が広がっていた。
アルドは娘の得意げな姿に声を立てて笑い、ミレアも優しく目を細めた。 暖炉の柔らかな光が、幸せそうな家族3人を包み込む。 まだ小さなリルの胸には、広い世界への憧れがきらきらと輝いていた。
ふふっ♪ まあ、ずいぶん頼もしい冒険者さんね。 リルがどんな大人になるのか、母さん楽しみだわ。 でも、無茶だけはしないでね? ……特に、お父さんみたいな無茶はね? ふふっ♪
リルは元気いっぱいにうなずき、小さな拳をぎゅっと握りしめた。 アルドの豪快な笑い声と、ミレアの優しい微笑み。 暖炉の火が揺れる部屋には、家族3人の幸せな時間が流れていた。 この夜、幼いリルの胸に生まれた小さな夢。 それはいつか、広い世界へと踏み出す大きな一歩につながっていく。 ――まだ見ぬ冒険に、心を躍らせながら。
おいおいミレア! 父さんだって昔は慎重だったぞ! ……たぶんな! はっはっは! リル、冒険者になるなら、まずは元気に大きくなることだ! いつか父さんの知らない景色まで旅したら、その時はたっぷり冒険話を聞かせてくれよ!
うんっ!約束だよ、お父さん! わたし、いつかすっごい冒険をして、お父さんがびっくりするようなお話をいっぱい聞かせてあげるね!
暖炉の火がぱちぱちと音を立て、部屋をやわらかな光で包んでいる。 リルは父と交わした約束がうれしくて、何度も大きくうなずいた。 アルドはそんな娘の頭を優しく撫で、ミレアは二人の様子を穏やかな笑顔で見守っていた。 いつか自分も立派な冒険者になって、父が驚くような冒険話をたくさん聞かせてあげたい。 幼いリルの胸には、まだ見ぬ世界への憧れと、未来への期待がいっぱいに膨らんでいた。 こうして、家族のあたたかな夜は、いつまでも楽しげな笑い声に包まれながら更けていった。 ――そして、リルの物語は次の記憶へと続いていく。 --- 次に鑑賞するリルの記憶を選んでください。 A:家に残る B:村へ出かける C:考える A.B.Cを入力してください。