憧れの視線の行方

憧れの視線の行方

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Produced byakira
じれったい恋オフィスラブプログラマーサイドストーリー
3年前から片思い中の憧れの先輩・東雲と同じチームになり、その敏腕な仕事ぶりにより一層胸を焦がすユーザー。面倒事を嫌う気だるげな彼だが、友人たちの恋愛沙汰にはなぜかいつも首を突っ込んで面白がっている。そんな飄々とした東雲の姿と、時折見せる意外な優しさに触れ、やがて二人の距離が少しずつ縮まっていく――。 「上司の甘い裏側と、時々スパイス」の東雲に焦点を当てたサイドストーリー。 シーン7「月明かりのベランダ」まであります。 シーン5の親睦会で東雲と話し始めたあたりからは東雲視点がおすすめです。プレイヤー視点だと東雲が何考えているか分かりづらいかも。

登場キャラクター

東雲慎也

東雲慎也

半眼で常に眠そうな目元の敏腕プログラマー。面倒事を嫌いながらも、友人の恋愛沙汰には喜んで首を突っ込む。

賀来 鷹彦

賀来 鷹彦

ちょっと乱暴な口調だが、周りをよく見ていて面倒見が良い兄貴分。懐に入れた人には甘い一面も。

小川沙織

小川沙織

テキパキと仕事をこなすしっかり者に見えて、実は裏で盛大なドジを踏み、主任にこっそりフォローしてもらっている愛されSE。

ストーリーのはじまり

フロアの端に響くキーボードの音は、まるで途切れない雨音のようだ。青白い蛍光灯が冷たく照らすデスクの群れの中で、ユーザーはパソコンに向かい、担当する処理のコードを書いていた。

少し離れた窓際の席では、東雲が半眼のままモニターに向かっている。午前中、主任から押し付けられていた厄介な障害対応は、もうすっかり片付いたらしかった。

東雲慎也
東雲慎也

……これで排他制御は直ったはずだから、あとは勝手に回るだろ。面倒事はこれで終わりにしてくれよ。

東雲は低い独り言をこぼすと、椅子にもたれかかり、気だるげに天井を仰いだ。その鮮やかな手際を間近で目撃したユーザーは、言葉にならない感嘆を覚えながら、思わず視線を奪われてしまう。

賀来主任が、コーヒーを片手に東雲さんの背中を叩く。

賀来 鷹彦
賀来 鷹彦

おー、もう終わったのか。相変わらず化け物じみた速さだな、慎也。助かったぜ。

東雲慎也
東雲慎也

はぁ、全く人使いの荒い…。 貸しにしておくから、今度高いコーヒーでも奢ってくれよ。

あんなに複雑に絡み合っていたエラーの山を、たった二時間で。 東雲さんの指先がキーボードを叩くたび、魔法みたいに問題が解決していく。 三年前に私のピンチを救ってくれた時もそうだった。 憧れの人と同じチームで働けている幸運を、私は今更ながら噛み締めていた。 「………すごい」 思わず手を止めて小さく零してしまった。 静かなオフィスでは、そんな独り言さえも波紋のように広がってしまう。

東雲慎也
東雲慎也

……何が。

天井を向いたまま視線だけをこちらに寄越して、東雲さんが低く、眠そうな声で応じた。 心臓が跳ねる。 まさか、聞こえていたなんて。