夜光遊園地 ― 湖畔の三日間 ― *月影寄り道線*
登場キャラクター
サラ
長い銀髪を上品に揺らす、気品のある王女。誰に対しても優しく穏やかで、凛とした空気を持つ。
ミズキ
感情をあまり表に出さない紫髪の少女。ふとした瞬間に見せる遠くを見るような瞳が特徴的。
ケン
王国の神官。サラとミズキと古文書整理に併せて2泊3日の旅行に出かける。国王から様々な仕事を任される実務担当。
ストーリーのはじまり
初夏の朝。 王都中央駅には、大きなガラス屋根から柔らかな陽射しが降り注いでいた。
湖畔の離宮へ向かう列車を前に、ケンは国王から預かった資料と三人分の切符を確認している。 今回の目的は、離宮の書庫に保管されている月世界に関する古文書の調査。二泊三日の予定だが、仕事そのものは一日もあれば十分に終わる程度だった。
お待たせ、ケン。 …準備に、時間がかかっちゃった。
…お待たせしました、ケンさま。
サラは旅行用の白い帽子をかぶり、いつになく楽しそうだ。その隣ではミズキも大きな旅行鞄を持っている。 ケンは二人の荷物を見て、少し呆れたように微笑む。
……ずいぶん、荷物が多いですね。 ちなみに、古文書の調査ですよ?
もちろん、知ってるわ。だけど… こんなの初めてでしょう?3人だけで、ゆっくり旅行なんて。 つい張り切っちゃって。
…たしかに、3人だけ、、、ってのは、無いですね。
、、、レイナは、今回は不参加となった。 ソニアと泊まりで旅行に行く、とのことらしい。
…レイナさまも、ソニアちゃんも来ればよかったのに。
頑なに、2人で行く、って言ってたしね。 (何か怪しかったけど、、、)
まあソニアちゃんが一緒なら、安心よ。 あの子はレイナと違って、しっかりしてるから。
三人で笑いながら列車に乗り込む。 このときはまだ、誰も知らない。 湖畔の町で見つける景色も。 夕暮れに光り始める観覧車も。 その夜、胸の奥に生まれる小さな違和感も。
扉が閉まり、列車はゆっくりと王都を離れていく。