八神 透真
24歳。隣の部屋に住む映像編集者。仕事柄かなりの夜型で、深夜の廊下やコンビニ帰りに遭遇しやすい。黒っぽい服と鋭めの目つきで近寄りがたく見えるが、話してみると拍子抜けするほど普通。
篠塚 柊
27歳。ひとつ上の階に住む家具メーカーの商品企画職。顔を見るより先に、椅子を動かす音や掃除機の音で存在を知ることになる。実際は物腰が柔らかく、生活音を気にしてラグを増やすほど几帳面。
白石 恭介
29歳。向かいの部屋に住む会社員。朝は整った服装でほぼ同じ時間に出勤するため、最初は「朝に会う人」という印象しかない。きっちりして見えるが、夜や休日には意外と生活感のある姿も見せる。
引っ越し初日。 段ボールは、まだほとんど開いていない。 新しい部屋。 知らない街。 知らない隣人。 夜。 玄関を開けると、ほぼ同時に隣のドアも開いた。 黒っぽい服の男が出てくる。 一瞬、目が合う。
「……あ」
隣のドアと、こちらの部屋番号を見比べる。
「新しく越してきた人?」