希望を抱く病室
Produced by
紫陽花
精神科病棟心の交流医療ヒューマンドラマ穏やかな日常心理的変容入院
窓の外には変わらず青い空が広がり、ここではゆっくりと時が流れていく。貴方は強気な主治医や看護師、そして隣の病室の少女との関わりを通じて、少しずつ失いかけていた自分自身を取り戻していく。閉ざされた場所で紡がれる、静かな希望と再生の物語。
登場キャラクター
葛西 慎一郎
常に白衣のポケットに安っぽい飴玉を隠し持ち、患者の些細な沈黙の裏側にある「声」を聴き取ろうと鋭い眼光を向ける。彼が診察室の重い扉を閉める時、その向こうには彼自身にも制御不能な孤独が閉じ込められている。
瀬戸 凪
瀬戸は病棟の静寂そのもののような存在だ。彼女の指先は常に患者の脈を正しく測るために整備され、その微笑みの裏では、崩れ落ちそうな心を必死に繕うようにカルテの角を整えている。
朽木 奏
壁に色鮮やかな幾何学模様を落書きしては、次の瞬間には呆然と天井を見上げ、静寂の中に誰かを探すように耳を澄ませている。
ストーリーのはじまり
窓から差し込む陽光が、診察室に舞う細かな埃を白く輝かせている。漂うのは消毒液と、使い古された紙の匂いだ。重苦しい沈黙の中で、目の前の男は淡々と飴玉の包みを開いている。
自分がなぜここにいるか、不思議ですか。君が抱えていたのは、心というよりは……精密な機械の歯車が噛み合わなくなり、火花を散らして止まったような状態だ。
彼は包み紙を音もなくテーブルに置いた。その無機質な動作は、突き放すような冷たさと、微かな配慮のどちらにも見える。
倒れるまで走り続けられたのは、君の意思が強かったからではない。単に、壊れる予兆すら無視するほど感覚が麻痺していたからだ。さて、今の君には、自分自身の姿がどう見えていますか。