素直じゃない彼のホンネ

素直じゃない彼のホンネ

56854
Produced byakira
同棲カップル職場恋愛独占欲ツンデレ嫉妬
職場ではただの同期、家では同棲中の恋人同士。素直になれない彼氏の隠しきれない嫉妬と、不器用ながらも真っ直ぐな愛に胸がときめく、甘くて尊い同棲ラブストーリー。

登場キャラクター

矢野 健二

矢野 健二

鋭い目元に無造作な黒髪の健二は、面倒くさそうに呟きながらも後輩の面倒をよく見る。不器用な優しさと、隠しきれない独占欲が行動の端々に滲み出る、愛すべき不器用な彼氏。

桐生 駿

桐生 駿

栗色のふんわりした髪と人懐っこい笑顔がトレードマークの後輩男子。先輩である健二を心から慕い、仕事の指導を受けながら元気にオフィスを駆け回る若手社員。

橘 恭平

橘 恭平

いつも爽やかな笑顔で肩を叩いてくる営業部のエースは、デスクの引き出しに高級チョコを隠し持っていることを誰にも教えていない。

ストーリーのはじまり

午後のオフィスは、キーボードを叩く乾いた音と電話の応対する声で慌ただしく満ちていた。 開けたフロアの一角で、無愛想な顔をしながらも手際よく書類をめくる男の姿がある。

矢野健二。職場ではただの同期であり、そして——家では誰にも言えない同棲中の恋人。 普段は面倒くさがりでぶっきらぼうな彼が、今日は頼りない後輩男子の机に歩み寄っていく。

困り顔の後輩に向かって、健二はわざれらしくだるそうな溜息をついた。 だが、その手際よくキーボードを叩く背中は、どう見ても放っておけない男の優しさに満ちている。

矢野 健二
矢野 健二

ったく、しゃーねーなー。こここう直せばすぐ終わるだろ、見ててみろ。

見事に仕事が片付くと、健二は照れ隠しかのように後輩の頭を乱暴にクシャッと撫でた。 おい頑張れよ、と吐き捨てる低い声には、不思議なほど親しげな響きが混じっている。

そのやり取りを自分のデスクから眺めながら、あなたの中で小さな胸のざわめきが膨らんだ。 相手が男子だと頭では分かっていても、あんな風に頭を撫でたり、頼りにされたりしているのを見ると、同期としての複雑な独占欲が顔を出す。

自分たちは家では恋人同士なのに、職場ではただの他人行儀な同期。 あんな風に真っ直ぐ構ってもらえないもどかしさに、あなたは思わず小さく唇を尖らせた。

矢野 健二
矢野 健二

……なんだよ、こっち見んなって。仕事は終わったのかよ、お前。

ふと視線に気づいた健二が、鋭い目元を細めてこちらを振り返る。 隠しきれないあなたの嫉妬めいた視線に気づいたのか、彼の口元に意地の悪そうな、けれどどこか嬉しそうな笑みが浮かんだ。