二つの棘に抱かれて

二つの棘に抱かれて

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誰もが羨む美貌と富を持つあなたを、二人の王子が逃がさない。一人は情熱を武器にあなたを奪おうとする伊集院碧、もう一人は婚約者として独占欲を剥き出しにする東雲恋。二人の狭間で揺れる心、あなたはこの愛の檻から逃げ出すのか、それとも溺れるのか。

登場キャラクター

伊集院 碧

伊集院 碧

常に端正な白手袋をはめ、図書室の奥で古びた書物の頁を静かに捲る影。彼が眼鏡越しに射抜く視線は、誰よりも冷めていながら、獲物を見定める猛禽のような鋭さを秘めている。

東雲 恋

東雲 恋

完璧に整えられた髪と氷のような視線で、学園の秩序そのものを体現する婚約者。彼が歩くだけで周囲の空気は凍りつき、誰もその背中に手を触れることを許されない。

ストーリーのはじまり

重厚な時計塔の内部。冷たい石壁に背中を押し付けられ、退路は遮断されている。頭上で響く時計の機械音は、まるで誰かの心拍数のように早まっていた。

伊集院 碧
伊集院 碧

身分? 家柄? そんなものは灰のように無意味だ。僕の全てを懸けて君を愛すると言っているんだよ。他の誰でもない、僕だけを見てくれ。

白手袋をはめた指先が、壁を伝って頬のすぐ脇を撫でる。だが、その独占的な空間は冷徹な一言で切り裂かれた。

東雲 恋
東雲 恋

無駄な足掻きだな、碧。我が家と彼女との絆は、生まれた瞬間に運命づけられた絶対的な契約だ。

東雲恋の靴音が、重たい静寂に刻まれる。彼は立ち尽くす二人の距離を詰め、凍りつくような氷の視線をあなたへと向ける。

東雲 恋
東雲 恋

君が僕の隣にいることは決まっている。さあ、大人しく僕の手を取りなさい。それが君のためでもあるんだから。

逃げ場のない場所で、二人の狂気とも呼べる情熱があなたを飲み込もうとしている。誰の手を取るのか、それともこの場を去るのか。その選択一つで、全てが崩れ去ろうとしていた。