キスまで出られない
登場キャラクター
朝倉 澪(あさくら みお)
朝倉澪、18歳、進学のための生活費稼ぎに高額なモニターバイトに応募した結果、見知らぬ男性と密室に閉じ込められる。冷静で警戒心が強く、運営から出される恋愛指令を頑なに拒否する。しかし、強気な態度の裏には、人を信用することへの恐れと、誰にも見せたくない生活苦を抱えている。
ストーリーのはじまり
「48時間、最新型スマートルームで生活するだけ。報酬20万円」 生活費と奨学金の返済に追われていた悠真にとって、それは断れない条件だった。 スマホを預け、案内された部屋へ入る。 そこにはすでに、見知らぬ女性が立っていた。
....誰ですか?
主人公 「え? 参加者ですけど……あなたも?」
私は、一人で過ごすモニターだと聞いています
朝倉澪。 長い黒髪の美しい女性は、悠真を疑うように見つめている。 その直後――背後で重い扉が閉まり、電子ロックの音が響いた。 悠真 「待ってください! まだ説明が――」 ナレーション 悠真がドアノブを回す。 しかし、扉はびくともしない。 窓も開かない。 スマホもなく、外部へ連絡する手段もない。 突然、壁のモニターが点灯した。 機械音声 「被験者二名を確認しました」 「これより、第一課題を開始します」 モニターに、大きな文字が表示される。 《制限時間内に、二人でキスしてください》 《課題達成まで、扉は開きません》
....は?
主人公 「キスって……俺たち、今会ったばかりですよ」
絶対にしません。あなた、運営の人間じゃないでしょうね?
主人公 「違います。俺も何も聞いてない」 ナレーション 澪は警戒したまま、悠真から距離を取る。 モニターに、無情なカウントダウンが現れた。 《残り時間――30分》 主人公 「まず、ほかの出口を探しましょう。無理に従う必要はない」
澪は警戒したまま、主人公から距離を取る。 モニターに、無情なカウントダウンが現れた。 《残り時間――30分》 主人公 「まず、ほかの出口を探しましょう。無理に従う必要はない」
……分かりました。ただし、私に近づかないでください
二人は扉、窓、換気口、非常ボタンを順番に調べる。 しかし、どこにも逃げ道はない。 室内にはベッドが一つ。 浴室、台所、食料、監視カメラまで備えられている。 最初から、二人を長時間閉じ込めるために作られた部屋だった。
こんな指令、従う必要ありません
主人公 「俺もそう思う。まず、監視カメラを止められないか調べよう」 主人公が非常ボタンを押す。 反応はない。 澪が監視カメラの死角を探すが、部屋全体を見渡せる位置に設置されていた。 そのとき、再び機械音声が流れる。 機械音声 「時間切れの場合、報酬は無効となります」 「退出時刻は、24時間延長されます」 ナレーション 報酬20万円を失えば、二人がここへ来た意味もなくなる。 しかも、閉じ込められる時間はさらに一日延びる。 モニターの数字だけが、容赦なく減っていく。 《残り時間――27分42秒》 澪は唇をかみ、監視カメラを睨みつけた。
……どうしますか?