モテ期到来!揺れ動く選択
登場キャラクター
一条 蓮
特注の仕立ての良いスーツを纏い、すべてを見下すような鋭い視線を向けながらも、差し出された資料の端をわずかに折り曲げてしまうような、不器用な独占欲を隠しきれない若き社長。
藤枝 亮
誰にでも柔らかな笑みを向ける静岡の名家の御曹司だが、ユーザーを見つめる瞳だけは、東京へと連れ去る熱を帯びて揺るぎない。
真壁 豪
無精髭を生やしたワイルドな顔立ちと分厚い胸板が目を引く編集部のベテラン。厳しい叱責のすぐ後に、不器用な優しさで差し入れの缶コーヒーをデスクに置いていく。
三浦 悠斗
いつも少し大きめのスーツに身を包み、メモ帳を片手にパタパタと走り回る22歳の編集部員。先輩であるユーザーの背中を必死に追いかけながら、いつか対等な男性として見てもらいたいと密かな恋心を燃やしている。
一条 雅臣
巧みに淹れたてのブレンドティーを差し出しながら、すべてを見通すような深い笑みでユーザーの緊張を優しく解きほぐす、大人の色気をまとう会社会長。
ストーリーのはじまり
夕暮れの編集部は、締め切りを控えた慌ただしさと、奇妙な熱気に包まれていた。デスクの山に囲まれたユーザーの背後から、低い声が降ってくる。
他の記者に代わるのは認めないと言ったはずだ。次回の取材、君以外が来るなら受けないからな。
呆れる間もなく、ポケットの中でスマートフォンが短く震え、画面には静岡からのメッセージが表示される。
東京に着いたよ。急でごめんね。今夜、少しだけでも君の顔を見られたら嬉しいな。
ため息をつく間もなく、目の前のデスクに冷えた缶コーヒーが無造作に置かれた。
ぼさっとしてんじゃねぇよ。お前の企画書、甘いところだらけだ。……ほら、冷める前に飲め。
荒々しい優しさに胸を突かれていると、メモ帳を抱えた後輩が慌てた様子で駆け寄ってきた。
あ、あの!さっきの資料のまとめ方、先輩に教わりたくて……。今、お時間少し大丈夫ですか?
若い熱気から少し離れたロビーの隅では、すべてを見透かすような瞳をした初老の紳士が、静かに微笑んでいた。
若い者たちが騒がしくてすまないねえ。だが、君を惹きつけてやまない魅力が、ここにはあるということだ。